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それは昼休み、1人でトイレに行った時だった。


あたしはトイレに誰もいない事を確認してスカートを捲り上げ、自分の足を確認していた。


傷痕はどこにもないし、しっかりと自分の体にくっついている。


でも、これはあたしの足じゃない。


それは今朝走った事で証明された。


この足を使い、お金を稼ぐ必要がある。


どうやって?


あたしは首を傾げた。


色んなマラソンに参加すれば、藤吉さんのようにすぐ有名になれるんだろうか?



そう思ったときだった。


「足、どうかしたの?」


そう声をかけられてあたしはハッとした。


振り向くと、入口に藤吉さんが立っている。


「別に」


あたしは慌ててスカートを直した。


バレただろうか?


心臓がドキドキと早くなっているのを感じる。