太くてたくましい指先に、一瞬ドキッとしてしまう。


エレナをはじめとするクラスメートたちは輝夜と付き合えばいいのにと言ってくる。


でも、あたし自身にその気がなかった。


恋愛するために高校に入学したワケじゃないし、なにより今は輝夜よりもオークションの事が気になっている。


「ちょっと疲れてるのかも」


あたしは適当に返事をした。


輝夜に本当の事をいう事はできない。


言えばきっとあたしは殺されてしまうから。


「そっか。無理すんなよ」


輝夜はそう言い、あたしの頭をポンッと軽く撫でると自分の席へと戻って行ったのだった。