神田先輩はそう言い、一呼吸置いた。


「一夜にしてスリムになった祭を見てみんなは脂肪除去の手術を受けたんだって疑ってたけど、そんな傷痕はどこにもなかった。


今でもどうしてあそこまで急激に痩せたのかわからないけれど……でも、祭が夢を叶えられてよかったと思ってるよ」


オークション。


その言葉が脳裏によぎる。


体を丸ごと入れ替えたのだとしたら、傷痕は首にしか残らない。


脂肪除去の痕なんてどこにもなくて当然だ。


「そうですか……。あたしも石澤先輩を見習ってダイエット頑張ります」


あたしはそう言い、神田先輩にお礼を言って教室を出たのだった。