「もちもち、どこまで行くの?」 「…本当慣れたな、そのあだ名」 「もちもち、可愛くない?」 「……勝手にしろ」 ズンズン先を歩いて行くもちもち。 あたしは置いて行かれないよう、頑張って追いかけた。 「ここだ。来い」 「えっ?」 もちもちは住宅街の途中で停まると。 ヒョイッと塀の上に上った。 「ちょっ、もちもち!?」 あんたは猫かよ!? 「来い。 それとも1人で上れるか?」 「手、出して」 「ほら」 手を引っ張ってもらい、あたしの背よりも高い塀の上に上る。