が、目の前にある大量発生しているゴミは見逃せない。
正確にはゴミではないのだがゴミにしか見えないとでも言っておこう。

そのゴミに見える状態は目の前の席の彼女の私物であろう



『あの』



恐る恐る声をかけてみるが彼女は熟睡しており中々返事をしてくれなさそうだ
そして周りには彼女の私物のその名も【安らぎセット】とデカく書かれた紙が落ちている。



『起きてください、もう下校時間です』

「眠いよ、ちーたん」

『起きろって言ってんだろ目薬のかわりに醤油目に入れるぞ』

「イヒャイ」



彼女の頬を引っ張ると上手く発声できないのか痛いをいい間違える。
案外可愛いではないか、可愛い子には手出しできないと判断してを離す。



『私は神崎 葵、貴方は吉野さんですね
あまりに貴方の周りが汚いもんですから掃除しに来ました。』

「えへへ、ありがとう」

『お聞きしたいのですがちーたんは誰ですか?』



彼女のグッズ! と書かれた私物をポイポイ気づかれぬうちにゴミ袋へと入れ処分する。
そして彼女のお気に入りの枕をカバンへと詰めると手紙などを私の持っていたファイルに綺麗に入れる。



「私の守り神だよ」

『神というより幽霊みたいだけど』

「そうだね、私達は神と呼んでいるけど実質幽霊だから気にしないで」



目を覚ませば普通に会話もできるし変な性格でも甘えた性格でもない。
普通のお姉さん的な印象がある。



「えへへ、ありがとう」



先程のは訂正しよう、甘えた性格であるしお姉さん的印象でもない。



『一緒に帰りませんか?』

「いいよ〜」



どうやら私は女の子と上手くやっていけそうだ、敬語からタメ語に変えれたらもう友達になるまでそう遠くはない。



「葵ちゃんはなんでさっきから漆黒そうな顔をしているの?」

『いつ敬語を抜こうか考えているんです』

「それならもうお互いタメ語でいいと思うよ同じ歳で席も近いしね〜」



ならばお言葉に甘えて敬語はやめるとしよう。
それと私の性格は楽しみにしておいてほしい、まだ馴染んでないからガリ勉オーラが出ているが馴染むとバカキャラに早変わりする。



『じゃあよろしくね、美少女よ』

「ん? 何かおかしいような……
私こっちだから」

『また明日ー!』



私の学校生活はわけがわからない結果で始まった。