プロローグ






「今日も行くの?」

『勿論』

「今日は雪も降って寒いし手袋とマフラー忘れないでね」

『フフッ、ホワイトクリスマスだ』


私の名前は神崎 葵(かんざき あおい)
今日はホワイトクリスマスである。
そんな記念日でありながら私は今日も神社へと向かった。

何故か? それは後ほど分かるだろう


『行ってきます』

「気をつけてねー」


お母さんに言われた通り赤いマフラーと黒い手袋をする。
白い息は絶えることなくずっと出ている、それほど寒いのだ。
やってきたのシラナキ神社、ここは小さな小さな神社

私以外にお参りに来る者などいない、そう思うであろう?

私もビックリだ、現時点で私の隣でお婆さんがお参りをしに来ている。



『ホワイトクリスマスですね』

「そうねぇ、お嬢ちゃんは人生楽しむんだよ」

『勿論ですとも』


お婆さんの方を見てみれば後ろを見ても反対側を見て見ても誰もいない。
あれはきっと幽霊で私は"見える"人間
また今日も見てしまった。

そう頻繁に見えるような者ではないか私は幽霊と近距離になると見えるようになる。

きっと先程のお婆さんはまだ居るのだろう、けれど少し私と離れたことにより視界に入らなくなった。
ただそれだけだ


まぁ、私に何も問題ないのでこの話題はやめ、お参りをすることにしよう。


パンパンッ


私が二回手を叩くと目つぶり一生懸命お願いをした。



【来年も良い年になりますように】