ここは海の奥深く。





陸に上がろうとしても上がれない深海






光はすぐそこなのに……






なんで……私はここに居るの?




寂しい……





1人……






ん??




灯り??





「あっ……」






初めての長い入院生活の時お母さんとお父さんが来てくれた日





この光の周りは暖かい……






「えっ……??」




ヒビが……





パリン……




嘘っ……



「ぃや……止めて。
壊さないで!!!!
1人にしないでっ!!!!」





灯りが……どんどんガラスのように壊れていく……





やめてよっ!!!!




「壊さないでーー!!!!」







私はどんどん深海に飲まれていく……








「助けて……」




“俺がお前の夢を叶えてやるよ”





あなたは誰??





“俺は……”





これも私の思い出??




誰なの??




黒髪で肌が白く……俺様の男の子






貴方は誰なの??






【理穂……貴方はまだこっちには来てはいけない。
戻りなさい……】




「お姉ちゃん??

なんでここに??」





【貴方の思い出になったからよ。
そんなことより戻りなさい。】




「でも……私には戻る力がない」




【あるわよ。
早くこの海を抜けなさい。】




「ぅん……。
でもお姉ちゃんは?」



【死んだんだよ。
理穂と同じ世界には戻れないの。】




「……。
ねぇ、お姉ちゃん。

一つ聞いてもいい?」



【いいわよ。】



「なんで死んじゃったの??
なんで“自殺”なんてしたの?」




【ごめんね……。】



「ごめんじゃわからないよっ!!!!


お姉ちゃんが死んじゃってみんな悲しんでた……」





【理穂……私の部屋の引き出しの中を見なさい。】





引き出し……??




「わかった……」



【ほーら!!!!

ウジウジしてないで行きなさい!!!!


じゃあね、理穂っ!!!!】




「バイバイ……お姉ちゃん。」






私は光に手を伸ばした。