それから、あゆちゃんと話をして1時間目の準備をして、桐崎くんの席に行く。


「桐崎くんっ、朝バカって言いましたよね?」

私がそう言うと、桐崎くんは表情を崩さずに
私の顔を見る。


私は、未だに、顔を見られるのが慣れてない。


いつになってもドキッとして顔が赤くなる。


赤くなった顔を隠すように俯くと、桐崎くんが私の肩を叩いた。パッと顔を上げると優しく笑う桐崎くんの顔が見える。


桐崎くんは、そのまんま私の耳に顔を近づけてきた。


「………好きだよ」




みんなが教室で騒いでる中、桐崎くんが耳元でそう言った。私は驚きを隠せなくて、耳を触りながら桐崎くんの顔を見る。


「え……?え?な、なんですか……?」


多分、顔は真っ赤だ……。


「別に。たまには言っておこうと思っただけ」

「わ、私はこれからもずっと好きですよ!!」

桐崎くんは、「ふぅん」と言ってまた本を読み始めてしまう。


するといいタイミングで、チャイムが鳴り、先生が入ってくる。 私は駆け足で席に戻り、座る。