「そうだ、姜苑。
退屈しのぎにクイズでも出してやろうか。


‘平国の極南に位置する地は?’」

皇は面倒くさそうに腕を組み深く椅子に腰をかけている。

「そりゃ王子。

泰子

でしょう?」

姜苑は細い目を更に細くしてヘラヘラ答えた。

「平国の極南は泰子。
他に意見のある者は?」


姜苑の他、四人。
皇の言葉に返す者はいなかった。




「そうか残念だな。
姜苑。ここでお前に面白いことを教えてやろう。」



皇の目が鋭く光る。



「姜苑。お前は空船に乗ってからずっと俺の側にいた。
それはその場で位が高い人間が側で支えるというのがルールだからだ。
異論は無いな?」

「はい…」

姜苑の笑顔に影が見え始めた。

「ここで俺は質問をした。
平の極南は?と。」

「…はい。」

目の前の王子の威圧にブルブルと体が震え
先程まであった笑顔は消え去った。



「これは、上の位に着くとすぐに覚えさせられることなんだが…




平の国の極南は、泰子ではない。




つまり、お前の位は中から下なわけだ。」