昨晩のこと。


「ねぇそんなことしなくたって
王はきっと会ってくれるわよ?」

「これだから平和ボケ人間は嫌なんだ!
いいか?
王は容易く国民なんかには会わないんだ!
なんでかわかるか?」

皇は目の前の愉快な思考の少女を罵る。

「威厳が保たれないからだ!

王の命令は絶対だ。
ではなぜ人は王に従うのか?

簡単にいうと人々は王に自分の権力の一部を預けているんだ、
そのため王の地位が確立される。
勿論、上に立つものにはそれなりの義務があるがな…

そうやって国のなかで戦のない社会が構成される。
平ではそう教わるぞ!

つまりだ!
権力制限が違う人間が簡単に会えるわけがないんだ!」

「えーっと……?」



こいつと話すと疲れるな…
真面目な話は出来なさそうだ。



「ハァー…
どう説明しようか…
お前の…なんだ?シューなんとか?
っているだろ?」

「シュウね?」



「そうだ。
そのシュウにどんなに会いたくても会えないんだろ?

ならその上の王はなおさらじゃないか?」


「あぁ。なるほど。」