「本当危なっかしいなお前。」
耳元で囁かれる郁人の声に心臓がドキドキする。
ドキドキしてキューってなって、
好きって抱きしめられるたびいっつも思うの。
「…ありがとう。」
また話せるようになって、
でた欲。
郁人と一緒にいたい。
私は郁人の違和感と胸のざわめきを
見て見ぬ振りをした。
朝いつものように準備をして、
家を出た。
前の日常みたいに私の隣で歩いている郁人。
それがくすぐったくて幸せで、
「あ、郁人足大丈夫?」
足捻挫してるじゃん!郁人!
なのに朝から二回も負担かけちゃって…
と焦っていると、
「いつものことだからもう慣れたよ。」
そう言って私の頭をぐしゃぐしゃだと撫でた郁人に
私は笑いかけた。


