目を覚ましてからの兄貴は
まず最初に言った言葉は、
「優姫は無事なのか?」
だった。
優姫は泣きながら兄貴に飛びついて、
「ごめんね、ごめんね周平。」
そう言っていた。
だけど俺の心はもやもやしていて、
その理由は
親友のくせにお見舞いに一度も来なかった亮太くんのことだった。
ブレーキ線を切っていた亮太くん。
だけど、兄貴を傷つけたくない
そう決めた俺は1人で抱え込んだ。
兄貴はバスケがもう2度とできないと聞くと
「そっか、まぁ優姫守れたんなら安いもんじゃね?」
と笑っていて、
そんな兄貴をすごくかっこいいと思った。
優ねぇは照れ臭そうに笑っていて
兄貴にずっと抱きついていた。
そして、
そんな2人も結婚。
亮太くんはその後突如姿を消した。


