そのあとすぐに兄貴は、
「優姫送ってくる!」
といってゆうねぇと二人乗りをして遠ざかっていった自転車。
俺たちはそのまま解散となって
一馬くんと俺と奈緒は、左へ
亮太くんは右へと足を進めた。
3人でワイワイ話しながら一馬くんと奈緒の家について、
一馬くんの部屋で3人で楽しく話していると、
俺の当時ガラケーが鳴り響いた。
「もしもし?」
とディスプレイを確認しないで出ると、
いつも強い優ねぇが、
『周平が!周平が!』
泣きながら俺に電話をかけてきた。
話によると、
優ねぇのバイト先へと向かう途中の大きなカーブの下り坂で走っていると、
兄貴はいきなり
後ろと前を確認するとハンドルから手を離し優ねぇを守るように抱きしめてそのまま自転車から飛び降りた。
優ねぇを守るように、優ねぇを怪我させないように…
転がりもせずにアスファルトに自分の背中を叩きつけて、
「怪我してねぇか?」
と弱々しく聞いた兄貴に
泣きながら頷いた優ねぇを確認して、
意識を手放した。


