準備体操と本練習の間の休み時間。
郁人は肌が弱いから皮膚科の湿布とコールドスプレーじゃなきゃだめだから
私は念のため佐和子さんから受け取っている郁人用の救急箱を自分の鞄から取り出し、湿布とコールドスプレーとサポーターを持って
マネージャー室から出ると何やら少し怒った様子の部員と、
それをなだめる部長と沙織先輩。
その後ろには美咲ちゃん達が泣くのを堪えて立っていて、
私は思わず小走りで
「どうしたんですか?」
と聞くと、
やはり、部員の人たちの水分補給用の飲み物を用意していなかったらしいと聞いて
私は頭が痛くなった…
10月だと言っても、バスケは走り回る競技だし、かなり疲れるその分汗もかくし、冬でも倒れることだってあるんだ。
なのに大切な水分を後輩が準備をし忘れた。
私は沙織先輩と部長、部員の人たちの間に立って
頭を思いっきり下げた…
「すみませんでした…
私の注意不足です。
一年マネージャーにはきつく言っておきます。
水分もすぐに準備しますので少しだけ待っててください。
お願いします。」
悔しくて視界が歪む。
だけど、私のミスもこうやって沙織先輩は私と一緒に謝ってくれた…
だから、
沙織先輩をもう2度と後輩マネージャーのことで謝らせない。


