暫くして落ち着いた郁人は私の頭を撫でて
ありがとうと言って練習に戻って行った。
私もマネージャーの仕事に戻る。
ダッシュの時の合図で笛を吹く。
沙織先輩はストレッチの手伝い
本練習まであと10分。
その間みんなはストレッチや軽く運動。
美咲ちゃんには水分補給用のものを準備してもらっている。
だけど、マネージャー室からの一年生3人の笑い声に嫌な予感がする。
でもこの場を離れられない私と沙織先輩は目配せをして肩をすくめあった。
何気なく郁人の方を見ると、
左足を少しだけ庇っている。
たぶん他の人は気づいていない。
笛を鳴らしながらさりげなく郁人へと目を向ける。
先輩エース達対郁人2年生2人で
3on3をしていて、
郁人がダンクを決めた時、
郁人は左足を着地足にしているからわかる。
左足がついた時の激痛をこらえる顔、
みんなは気づいてないっぽいけど、
なんだか嫌な予感がする。


