泣き虫とヒーロー ~約束の四つ葉のクローバー~



私はまだ完全に集まってない部員を横目にバスケゴールを下げたりと準備をしている横で先輩もすぐ横のゴールを下げて、心配そうに私に

「だって、奈緒、瀬山の事好きでしょ?」

と聞いてくる、

私はそれに次のゴールを下げに向かうために歩きながら答える。

「好きだからあいつの幸せを祈るんです。」

ズキッと鈍く痛む胸に気づかないふりをしてゴールを下げる。

「奈緒。」

「なんですか?」

ゴールも全部下げ終わり次は救急箱の中身を一応確認しよう、

あ、あと練習日も確認しないと、

と動く私の腕を掴んだ先輩は

無理やり私を振り向かせようとする。

やめて、今だけはだめ。

「奈緒!私の方を見て。」

「な、んでですか?」

震える声を必死にこらえ言葉を繋げる。