涙さえ出なくて、
何故かそれを冷静に見れている私がいた。
わかってた。
いつかこうなる事を私は心のどこかでわかっていて
覚悟していたんだ。
私はゆっくりとブレザーの下に来ていたパーカーのフードを被って
学校への道のりをゆっくりと歩いた。
だけど、
すぐに着いてしまった学校は
私がいつの間にか走ってたのがかなりの距離だったという事を表していた。
必然的に、駐輪場で郁人らしい男の人は私に背を向けていて、美咲ちゃんは私を見て笑っていた。
私でさえ郁人の自転車の後ろに乗せてもらった事はない。
自転車で目の前を通過した時の美咲ちゃんの人を見下すような顔。
そして今だってドヤ顔で見てくる美咲ちゃんを
私は無視して更衣室へと走ってパーカートブレーザを脱いで髪をポニーテールでまとめて
マネージャー業へと力を入れた。


