奈緒に謝りたくて、
今すぐにでも抱きしめたくて、
一歩足を踏み出して、
ドアに手をかけようとしたとき、
「…落ち着いて、奈緒。
それは、奈緒も瀬山も悪くないよ。」
立花の凜とした声が俺の動きを静止させた…
落ち着いて、
その言葉が俺に言われたみたいで、
奈緒の事が大好きな立花なら
今にでも俺に怒鳴り込みに来るはずだろ?
そう思っていると、
「…そうだよ、奈緒と瀬山は悪くないよ。
悪いのは佐野でしょ。」
笹山の声も響き渡った…
なんで、みんな俺を責めないんだよ。
俺は責められて当然のことを言ったんだぞ…?
どうせなら、
最低!とか、
そう言われた方が良かった…
そう思ってると、
肩に手が置かれて、
「郁人はもう後悔してるじゃん
反省してるじゃん。
それを皆わかってるから責めないんだよ。
第一、反省してる人、責めても責める人の自己満足でしょ。
ただ、相手を嫌な思いにさせてるだけ。
人間誰しも完璧じゃないし、
間違える事なんていくらでもあるんだよ。
間違えて間違えて、その度ちゃんとやり直せばいい。
人生ってそういうもんでしょ。」
なーんてね、
と笑って言う春樹の言葉一言一言が
胸に刺さった気がした…


