「わかるはずないよ。
だって、私は郁人しか好きになったときないもん!
郁人にしか告白したときないもん!
郁人にしか本気になったときないもん!」
「私は、郁人のためなら自分を捨てられるよ。
いいやつばっかじゃないから。」
そう言って、郁人を押し返してから、
校舎へと走った。
止まらない涙。
郁人はずっと私のことをそう思っていたの?
《奈緒は、誰にもいい顔をしすぎなんだよ。》
郁人の言葉が頭から離れない。
そう思わせてたことが悔しくて、
そう言わせてしまったことが辛くて、
私は階段を駆け足で登って、
屋上へと着いたとき、
内鍵を閉めて、
屋上で泣き続けた。
屋上に来る途中
麻友と玲奈の声が聞こえた気がしたけど、
それどころじゃなかった。
郁人にあんなことを言わせてしまった自分が情けない。
郁人を傷つけた自分が情けない。
逃げてきた自分が、
情けない。


