それを制するように、
「ごめんなさい。
佐野君。
私の幸せは郁人にしか作り出せないから。
だって私の何よりもの幸せは郁人のそばにいることだから。
だからごめんなさい。
好きになってくれてありがとう。」
そう言うと、
顔を顰めた佐野君は、
校舎の方へと走って行ってしまった。
その途端ホッとした私を、
壁に押し付けた郁人。
予想外のことで思わず目を見開く私の横に置かれた腕と腕。
郁人の瞳は悲しみと怒りで揺れていて、
胸が苦しくなる。
「…郁人?」
私の呼びかけに、
「奈緒は、誰にもいい顔をしすぎなんだよ。」
そう辛そうに言った郁人。
…どういうこと?
「告白されてるときもニコニコして、
それが余計相手を期待させるってことがわかんねぇのか?」
郁人の私を責める言葉にすごくイライラしてくる。
なにそれ?


