真っ白になる頭。

ただ、夢中で郁人の呼吸や脈を確認して、

救急車に電話して、

気づけば大泣きしてお兄ちゃんに電話をかけていた。

話した内容も覚えてない。

気づけば、病院の中に運ばれていく郁人を泣きながら追いかけていた。

検査室へ連れて行かれた郁人を

診察室の前で座り込んで大泣きをしていた。

なんで、一緒に早退しなかったんだろう。

なんでもっと早く病院へ行かなかったんだろう。

泣きすぎて、過呼吸になった時、

「「「「奈緒(ちゃん)!!」」」」

霞む意識の中最後に見えたのは、

お兄ちゃんと周兄と美結ちゃんと優姫ちゃんの姿だった。




目を覚ませば、酷く痛む頭。

だけど、郁人のことを思い出して私は飛び起きて病室を出ようとした時、

ドアがひとりでに開いた。

開けたのは、お兄ちゃんだった。

泣きながらお兄ちゃんに

「郁人は?!」

と叫ぶと顔を歪めたお兄ちゃん。