ガラッといきなり開いた扉。

そこを見ると樫村くんが焦った顔で立っていて、

「大変だ!新入生が倒れた!」

私と郁人は顔を見合わせて、

樫村くんの後を走り出した。

心配で心配で目の前が霞む。

階段を駆け降りて、

渡り廊下を走って、

やっとついた体育館。

樫村くんがドアを開けて待っていて、

私と郁人が体育館に入った瞬間、


パァァアーーーン!


たくさんの破裂音。

な、なに?!

思わず虚取りながら目の前を見ると、

みんなが笑顔で、

《ハッピーバースディ!》

《郁人!高山!》

そう私たちに叫んできた。

訳が分からなくなって、

だけど、頬を伝う涙があったかくて、

夢じゃないんだって思う。

みんなが横にずれると、

鼻眼鏡をかけた、

麻友と玲奈と春樹くんと理玖くんまでもが

変なポーズで立っていて、

私と郁人はポカーンとしてその場を見てしまう。

麻友は、モデルをイメージしてるような変な歩き方をしてきて、

「ハーイ!おふたりさーん!
誕生日おめでとうございまーす!」

と変なイントネーションで言ってきて、おもわず笑ってしまった。