だけど、やっぱりお母さんとお父さんがアメリカにいることの寂しさも出てくる。

欲張りだー、
なんて思ってみたり…。

早速私は、料理に取り掛かった。

豚汁と、唐揚げと、サラダとご飯。

デザートは、昨日作ったシフォンケーキ。

豚汁の具を切る私を、

じーっと見つめる郁人に

白菜を切りながら、郁人を見つめて、

「なに?」

と聞くと、

「んー?いやー、幸せだなって。
将来こんなお嫁さんと結婚できるなんて
って、幸せに浸ってた。」

と笑う郁人に私も笑いながら、切り終わった白菜を横にずらして、

人参を切りながら笑った。

「そうかな?じゃあ私も、
こんなかっこよくて優しくて私に一途な旦那さんなんて幸せですね。」

と笑いかけると、顔を赤くした郁人は、

「かわいすぎんだろ。」

何かをポソリと呟いた郁人に顔を上げた時、

目の前には、スマホを構えた郁人。
そして、


パシャリ。

いきなり写真を撮られてしまった。

「…消して。」

「やだ。」

「消してよ!」

「やーだ!」

たまに子供っぽくなる郁人も大好きで、なにも言えなくなってしまう。