「奈緒、何かあったらすぐ言うのよ!
なにがあってもすぐ飛んで行くから!」
と笑うお母さんに、私は抱きついた。
「お母さん、大好き。
アメリカで辛いことあるかもしれないけど、
何かあったらお母さんも私を頼ってね?」
こらえてた涙が頬を伝う。
泣き合う私とお母さんを抱きしめたお父さんとお兄ちゃん。
「…ごめんな、俺のせいで。
ごめん、
奈緒、郁人と仲良くやれよ?
奈緒をこんなに大切に想える男は郁人しかいない。
それに、
俺が安心して預けられるのも郁人だからなんだからな。
奈緒、愛してる。
美緒と同じくらい一馬と奈緒を愛してる。
一馬も、美結ちゃんと仲良くやれよ。」
いつもおちゃらけてるお父さんがこんなことを言うなんて思わなかった。
愛してるなんて、初めてお父さんから言われた。


