だけど、不意になったアナウンス。
『13時25分発のニューヨーク行きの便
5番ゲートをご利用するお客様へ
間も無く飛行機が離陸します。
遅れないようお願いします。』
お母さんたちが乗る飛行機だ。
時間を見ると、
13:02と表示されてる電子時計。
もう少しで、お別れなの?
お母さんたちが、アメリカにいる期間は
最低でも5年らしい。
だから中々会えなくなる。
こみ上げてくる涙を必死にこらえようとするけど、
震える唇はどうにもならない。
郁人から体を話した私は、
泣かないよう、必死に口元を上げて笑った。
5番ゲートの前で、邪魔にならないよう端っこで、
お別れの言葉。


