あと少しで、

思い出せる。


ガンガン痛む頭。

痛すぎてその場にしゃがみこんだ私は

痛みで涙が滲む。

真っ暗な場所で一人で蹲って座り込んで涙を流す私は、

夢の中に閉じ込められた錯覚に陥れされられて。

無意識に出てきた言葉は、

「郁人…。

助けて…。」

愛しい人への助けを求める言葉だけだった…。


無理に決まってるのに、

一人で、頑張らなきゃ。

そう思っても足に力が入らなくて立てなくて

余計涙が滲み始めた時、

ぐいっと引っ張られる感覚に、

優しい懐かしい温もりに、

「奈緒!」


少しだけ低い私を呼ぶ声に、

引っ張り上げられた瞬間目覚めた私の視界に映ったのは、