「ずっと、支え続けてくれた奈緒がいたから、
こんな早く回復して、
きっと奈緒がいてくれたから目覚められたんだと思う。
だから、俺も奈緒のためになにか返したいんだよ…。
無理なんてしてないから、
だから、泣かないで。
ずっと、忘れたままなんて言わないで…。
俺が、奈緒のことをたくさんの奈緒の表情も、
奈緒との思い出も思い出したいだけなんだ…。
だから、これからも支え続けてくれたら嬉しい。」
そう言い切った郁人は
私を抱きしめる腕に少しだけ力を加えた。
だけど、
違うよ、郁人。
それは違う。
「郁人は、私がいなきゃこんな目に合わなかった。
郁人は私と関わらなければこんな苦しまなくて済んだ。「奈緒。」
郁人の遮る声を無視して、
「私は何度苦しんだっていい、どれだけ苦しんだっていいんだよ「奈緒。」
どんどん強くなっていく郁人の声。
だけど、
だけど、自分が止められない。


