「これ以上、一人で、苦しまないで…。
私がずっとそばにいるから
苦しみも悲しみも痛みも半分こさせてよ…。」
ありきたりの言葉だけど、
今の私の気持ちにぴったりなのは
この言葉しかないと思う。
郁人の顔を見上げると、
目を見開いて、悔しそうに涙を流す郁人。
小学三年生の頃に見たきりの郁人の涙。
「…いく、と…?」
「…思い出したいのに、
思い出せない。」
切なく涙を流しながら一言一言話してくれる郁人に、
私は涙を流しながら
抱きしめていた郁人を離して
めいいっぱい背伸びをして頭を撫でながら頷いた。
けど、
腰に回された郁人の腕。
引き寄せられた体に、驚いたけど、
あまりにも震える郁人の体を抱きしめ返しながら
頭を撫で続けた。
私の肩に額を当てて、
甘えるようにポツポツだけど話してくれる郁人。


