そして、学校が終わり、
放課後は思い出のある場所へと郁人を連れ出した。
部活帰りに寄り道したコンビニ。
運動公園。
だけど、郁人は全部初めて来たみたいに辺りをキョロキョロしているだけ…。
そんな簡単に思い出すわけないか…
若干諦めかけた時、
小さい頃よく遊んだ、
郁人が、私を突き放す前に行った
土手が見えてきた。
「郁人、あそこ行く?」
と聞くと眉間にしわを寄せて頷いた郁人に
不思議に思いながら、
郁人の腕を引いて土手へと歩き出した。
土手についた途端何かを考え込むように、
ニコニコしていた顔が焦るような表情に変わった。
そんな郁人に無意識に眉間に皺が寄るのがわかった。
「どうしたの?」
郁人の頬に手を当てながら気づけば問いかけていた、
いつもの癖のようなものだった。
だけど、ピクリと動いた郁人に慌てて手を離そうとすれば、
私の手に被せられた郁人の大きな手。
「郁人?」
ずっと無言の郁人に心配になる。
私は郁人の頬から手を離しておでこに手を当てようとすれば、
頭を抱え込んで
倒れそうになる郁人を
私は体を張って抱きとめた。


