ごめんね、
私なんかを庇ってこんな目に合わせてごめんね。
「奈緒!」
麻友の声を、
「見守ってやれよ、麻友。」
春樹くんが制ししてくれて、
私はただただ、佐和子さんに頭を下げ続けた。
すると私の隣に立つ気配がして、
「すみませんでした。
俺の妹のせいで大切な息子さんをこんな目に合わせてしまって、
すみませんでした。」
震える声のお兄ちゃんは、
私と一緒に頭を下げてくれた。
お母さんもお父さんも一緒に頭を下げていて
ズキズキ痛む胸。
けど、
佐和子さんと信助さんは何も言わなくて、
当たり前だよね、
出て行けって罵られるかな。


