こんな出来すぎた話あるんだろうか。
手紙を見て言葉を失う麻友。
気づけば授業最後のチャイムがなっていて、
私は手紙を握りしめると痛む膝を無視して、走り出した。
階段を駆け上がると、
たまたま、遭遇した美咲ちゃんに、
私は怒りを抑えて手紙を突きつけた。
「これどういう事?」
出そうとも思っていないのに出る低い声は、
美咲ちゃんを怯ませていて、
「私を傷つける事って?
まさか、上靴の嫌がらせとか机の落書きとか教科書のいたずらとかジャージの上靴じゃないよね?
あんなので、傷つくって思われるなんて私も舐められたものだね。」
冷めた目で美咲ちゃんを見据える私。
こんなに怒りに震えたのは初めてだ。


