あふれる涙を止める術は
郁人に抱きしめてもらう事しか分からない私は
簡単に泣き止む事はできなかった。
何時間目かの授業が始まる前の予鈴が鳴り響いた時
私は四人を保健室から追い出した。
笑って大丈夫そういって、
けど、麻友だけは私の側に残ってくれた。
麻友にはちゃんと保健室のついさっき起こった出来事も全て話した。
私の思っていたこと、逃げていた気持ちも全部話した。
麻友はそんな事ない、奈緒は頑張ってたよそういって泣きながら抱きしめてくれたけど
私は本当に逃げてばかりだったと思う。
逃げていたからこんな結果を招いてしまったんだ。
麻友に抱きしめられながらなんとなく隣のベッドの下を見ると、
ぐしゃぐしゃに折りたたまれたルーズリーフが落ちていた。
なぜか、全神経が拾えと私に訴えていて
気づけば腕を伸ばして拾い上げていた。
無造作に折りたたまれた紙を広げると、
私は言葉を失った。


