目をさますと涙を流す
麻友と玲奈。
その二人を悲しそうに見守る春樹君と理玖君の姿があった。
「奈緒、目覚めた?」
こくりと頷いて
ゆっくりと起き上がろうとすると
途端に激しく痛み出す頭。
思わずこめかみを抑えると、
「奈緒、寝てて!」
麻友の制しする声。
私はゆっくりとベッドに体を沈めると、
「奈緒、瀬山とのこと聞いたよ。」
そう顔を歪める四人に
無理に笑って、そっかとだけ返した。
幸せそうな四人の姿に悲しくなってくる。
想いあってる四人の姿が眩しくて、
自分だけが置いて行かれたかのように、
悲しくなってくる。
けど、それ以上に今頃実感する
郁人に拒絶をされたということ
私は涙が止まらなくなった。


