泣き虫とヒーロー ~約束の四つ葉のクローバー~



「ふざけんなっ!

私はただの情なんかでこんなに泣かないし、
こんなに怒らないし、

こんなに愛しく思えるほど、

出来た人間じゃない!

こんな感情、郁人にしか出せないのをしってるのに、

ふざけないでよっ!

もういい。

勝手にして。

出て行って、

もう私も郁人とは関わらないから。

今すぐここから出て行って。」


出入り口のドアを指差しながら

泣き叫ぶ私。

郁人は

「あぁ、奈緒に言われる前に出て行ってやるよ。

もう、奈緒とも関わらねぇよ。」

そう、吐き捨てた郁人は

本当に保健室から出て行ってしまった。

その瞬間

私の心にはぽっかりと空いた穴。

泣き崩れた私は気付けば眠りに落ちていた。