「郁人、美咲ちゃんに脅されているって本当なの?」
医者にバスケができないと言われてすぐに諦めた私。
アメリカか転校か残るその選択肢を与えられた私は
アメリカに逃げようとさえしていた。
その方が親もいるし安心できる。
美咲ちゃんと郁人を見ずに済む。
いつも安全の道を郁人の後ろで歩いていた私は…
もう捨てる。
美咲ちゃんに、周りの人に嫌われたくないから
本当のことを言えなかった私を捨てる。
一人でマネージャーの仕事をしていたときだって
心の中では美咲ちゃんたちをよく思っていなかった私がいなかったとは言えない。
たまに自分だけなんでこんなにやっているんだろうと馬鹿らしく思えて泣いたときだってあった。
けどそれを必死に隠して、
今まで築き上げてきたものを壊してでも、
郁人を守りたいと思うから…
脅されているのが本当なら
私は美咲ちゃんに立ち向かうよ。
嫌われたっていい。
憎まれたっていい。
それで、郁人を救えるなら郁人を守れるなら…。
「隠さずに答えて。」
強くなれるよ。


