「郁人っ!」
私の声に足を止めてくれた郁人にホッとしたのも束の間。
振り返らずに歩き出した郁人に
胸がズキっと痛んだ。
けど、
「郁人っ!ごめんねっ!」
この声が届くまで叫び続けるから。
私の声に振り返らずに歩き続ける郁人の足が止まりそうになったの気づいたよ、
「郁人っ、ごめんねっ
郁人の辛さに気づけなくてっ、ごめんねっ。
こんなに郁人がなるまで、気づけなくてごめんねっ。
頼りなくてごめんねっ。
郁人っ
いつも助けられてるのに、なにもできなくて、ごめんね。
でも、これだけはわかってっ
私はいつまでも待ってるからっ。
郁人の帰るところになるからっ。
バスケ部みんなで郁人の帰り待ってるからっ。
私はっ、郁人の事が誰よりもなによりもっ、
すきだからっ!
ずっとまってるからっ!」


