奈緒side

周平兄に、すべてを話したあの日。

周平兄と優姫ちゃんは

『知ってたよ。』

そう切なそうに自嘲気味に笑っていた。

『でも、バスケをしなくなってから優姫との時間も増えて今こうしていられるんだ。

憎みも悔しさもなにもないからいいんだ。』

そう笑っていた。

その時に聞いた、

『バスケばかりで優姫を疎かにしたんだ、俺。

喧嘩も日々絶えなくてな。

温厚な優姫がその頃から我慢できないよって泣いてたよ。

寂しいと泣いて訴えていたのを俺は無視してたんだよ。

だけど、あの事故の時きっと優姫を庇ったらバスケができなくなるってわかってたんだ。』

そう笑顔で言った周平兄に私と優姫ちゃんは目を見開いた。