教室に戻ると、

私はスマホを取り出して、

あの人に電話をかけた。

プルルルルルルプルルルルルル。

ぷちっ

『はい、もしもし。』

電話口の声があまりにも似ていて、私は涙をこらえながら、

「周平兄?」

『お、奈緒か?どうした?』

優しい周平兄の声に心がいたむ。

だけど、

「今日、大切な話があるの。

優姫ちゃんにも、急だけど部活終わってから家行っても大丈夫?」

『ん?大丈夫だよ
じゃあ、今日は定時で帰るな。
優姫には言っとくよ。
気おつけてこいよ。』

「うん、ありがとう、
じゃあ、お仕事頑張ってね。」

『おう、じゃあな。』

電話を切ると深呼吸をしてから、

四時間目からきちんと授業を受けた。