私は、素直に頷けないでいた。 本当に私だけ何もしないでこのままでいいの? 郁人に何1つ恩返しできていない。 「麻友。」 「ん?」 ブレザーの下のセーターの裾で涙を拭いながら、 「私、周平兄と優姫ちゃんに話しに行く。 今日部活終わって会えるか聞いてみる。 郁人だけに、こんな事背負わせないよ。 罵声されたっていい。 郁人が少しでも救われるなら私は、 なんだってするよ。」 麻友を見上げて私は笑いかけた…