「奈緒!」 ぼーっとしていた時に聞こえてきた 麻友の声に私はびくりとしながらその方を向くと 複雑そうな顔をして麻友は、 「次、二時間目古典だから教室だよ。 早く行こ?」 と私の肩に手を乗せながら私の顔を覗き込んでいた。 私はこくんと頷いてから、 麻友と一緒に教室へと向かった。 行きとは違い、 麻友はゆっくりと話し始めた。 「奈緒。」 「ん?」 奈緒を見上げながら言葉をじっと待っていると、 「今から言う事、 信じてね。」 意を決したように私を見据えて 話し始めた。