泣き虫とヒーロー ~約束の四つ葉のクローバー~



「高山さん、性格もいいし

高山さんなら素直に応援できたのにね。」

とため息交じりの声。

「わたしもー。

なんで沢村さんなんだろ。」

「だって、瀬山くん明らかに高山さん大好きって感じだったでしょー?」

「えー、過去形じゃなくない?」

「「「え?どういうこと?」」」

「だって、私今日早く学校ついてなんとなく2-A覗いたら高山さんの机に落書きしてあったの、

麻友と一緒に消してたよ。」

衝撃的な一言に言葉を失う。

目の前が真っ白になって、

目尻から涙が滑り落ちた。

だから、朝練いなかったの?

ねぇ、郁人なんで?

もう私達は赤の他人なのに…


麻友の方を見るとゆっくりと頷く麻友。


「えー、いいなぁ。
でもなんで、瀬山くん沢村さん選んだんだろ。」

一人の疑問の声に

麻友もピクリと動く。

「そう!それが本題なのよ!」

またしてもリーダー格の女の子の声。

私と麻友は思わず息を呑んで耳を澄ませた。