泣き虫とヒーロー ~約束の四つ葉のクローバー~



トイレの個室に麻友においでと言われて入ると、

聞こえてくる四人くらいの女子の話し声。


「ねぇ、聞いたー?」

「「「「なにをー?」」」

私は思わず麻友の方を見ると、

唇に人差し指を当てて、

シーっとやってきた。

その姿が思わず美人すぎて、無意識に頷いていた。

すると聞こえてくる、

「瀬山くん、一年の沢村さんと付き合ってるんでしょー?」

「あー、きいたきいた。」

「あー、あれひどくなーい?」

「私、高山さんとくっつくと思ってたんだけどー。」

いきなりの私の名前にびくりとしてると、

どんどん進められていく彼女たちの会話。

「私も私もー!」

「ね、高山さんと瀬山くんお似合いだもん。
学校公認のカップルだと思ってたのにねー、
なのに、沢村さん。」

とため息をつくリーダー的な女の子の声。