「どうしたの。」
「上靴にカッターの刃が入ってたの気づかないで血だらけになった。
上靴は誹謗中傷だらけもう使えないや。」
素直に答えると怒り始めた麻友を必死に宥めて落ち着いたのを確認してから
自分の机と足を向けた。
自分の机を見て思わず言葉を失った。
でかでか油性マジックで書かれた
クソという言葉。
その言葉は誰かが必死に消そうとしたように濡れていて、
それが麻友の赤くなった手を見て
麻友が消そうとしてくれたのに気づいた。
学校に置いておいた教科書は全部ボンドでくっつけられていて。
さすがに私と麻友は苦笑い。
予備のジャージも裾と裾同士縫われたようにくっついていて、
手が凝りすぎてるね
と私は笑ってしまった。
その時麻友が険しい表情をしていたのを
私は気づかなかったんだ。


