私はため息をついてから
流れる血を自分の手で押さえて靴下のまま保健室へと足を進めた。
保健室に着くとすぐにテープをはられた傷口。
先生曰く結構深かったらしい。
でも別にどうでもいいや。
気にせずに、スリッパを借りると教室へと足を進めた。
教室に入った途端近づいてきた麻友は
私の包帯で巻かれた手とスリッパで、
鬼の形相をして近づいてきた。
他のクラスメートも心配そうに私に近寄ってきた。
私は無理に笑って、
「いじめとかじゃないよ。
指はちょっとご飯作ってて失敗しただけだし、そんな大した事ないよ。
スリッパも家に忘れちゃってさ。」
と笑いながら言うと皆は安心したように
自分たちの話に戻って行った。
麻友を除いては。


