私、私は。
「…選択肢は…?」
お兄ちゃんの横顔を見つめながら問いかけると、
難しい顔をしたお兄ちゃんは
「お袋たちと一緒にアメリカに行くか、
俺と美結と一緒に暮らすか、って言っても高校は転校しなきゃいけないけどな。
どっちも奈緒が嫌なら、
今の家に残るか。」
アメリカ、転校、今のまま。
期間は後3ヶ月。
「ごめん、考えさせて。」
「…おう、じっくり考えろよ。」
赤信号で止まったお兄ちゃんは優しく私の頭を撫でるとハンドルをぎゅっと握りしめた。
それからは沈黙が続いて、
流れる景色をただただ静かに眺めていた。


