泣き虫とヒーロー ~約束の四つ葉のクローバー~




ご飯を食べ終わると二人で海へと足を進めた。


潮風に乗って鼻を掠める海の匂い。

さすがに10月の海は寒い。

ブルリと身震いすると、

肩に乗せられた薄手の毛布。

郁人の方を見ると、

「持ってきといてよかった。」

と笑ってショルダーバッグを見せてくれた。

おもわず、
「どうやって入れたの?!」

と聞くと、

「ちっちゃく畳んだ。」

とイタズラに笑う郁人に私も笑いかえした。

二人で一枚の毛布にくるまって

夕日を眺めた。

ゆっくりと沈んでいく夕日。

完全に沈む終わる前に私と郁人は

駅へと歩き始めた。