それに安心した私は
泣いて怠くなった体を郁人に安心して預けた。
「いや、勝手にその子が泣き始めたんだよ。」
焦る金髪の声。
郁人はそんな金髪に低い声を出す
「あ?どういうことだよ。」
「し、しらねーよ!」
郁人の低い声に怯んだ金髪の男は声だけでもわかるほどの焦りよう。
私は郁人を見上げて、
郁人の右頬を左手で優しく包み込んだ。
「郁人、大丈夫だから、
迷子になって怖くなって泣いちゃっただけだよ。」
と、本当のことを隠して私は郁人に笑いかけた。
そんな私に渋りながらも納得した郁人は
私の腰に手を回して
「これなら迷子になんねぇだろ」
と無邪気に笑いかけてそのまま歩き始めた。


