置いていかれる不安。
郁人が美咲ちゃんを選ぶことの恐怖が
郁人が私の隣にいない事実が
私の不安でいっぱいの胸に
重くのしかかった。
ナンパ男達のことなんて忘れて泣き腫らした。
郁人に会いたくて
抱きしめて欲しくて
奈緒
と、優しく笑って呼んでほしくて。
何故想いを伝えなかったのだろう。
振られるのを覚悟でこんな事になるなら
ちゃんと郁人に
好きと言っていればよかった。
そしたら、
今のこんな事実はなくなるのかな。
ナンパ達の耳障りの声が聞こえる。
けど、そんなのも気にならない。
いつから私はこんなに弱くなったんだろう。


