だけど、回る私の視界には 郁人の姿なんて映らなくて、 恋人達の寄り添う姿 友達たちで楽しそうに騒ぐ同い年くらいの人たち。 幸せそうな家族。 独りぼっちは、 私だけだ。 「いくとっ!」 涙が頬を伝った時、 ガシッと掴まれた肩に 「郁人?!」 急いで振り返ると、 見覚えのないニヤニヤと気持ち悪い笑みを浮かべる男の大学生くらいの4人集団。