水場に着いたら、会長がハンカチを水に濡らして、私に渡した




「…どうしろと?」



「浴衣の汚れを取れ」



はぁ…



私はトントンとハンカチを浴衣に押し付けた




すっごく汚れた…



でも、なんとか染みにはならないかも



よかった…



これ黄鳥先輩のだから…







バーン






その時、空中から大きな音が聞こえた




あっ…



花火…



「始まったか…どうする?集合場所にに行くか?」



私は会長の服の裾を掴んで、顔を伏せて、首を横に振った



「…ここで…いいです…」



ここで会長と二人で見たい



きっと顔はすっごく赤い



だから、顔を上げられなかった



会長がどんな顔をしているのかもわからなかった



ただ、会長は私の手を握ってくれたんだ




突然のことで吃驚した私



へ、変な汗かいてないよね…